新たなおもちゃ
新たなおもちゃがようやく届きました。
患者さんに教えてもらった中国のContecという会社のスマートウォッチです。
アリババ系の通販サイトで84.5ドルで購入しました。
Wearable SpO2/ECG Monitor Wireless Bluetooth Smart Calorie Monitor
このスマートウォッチの特徴の1つは、右側面には赤い光の小窓がついており、
そこに指を当てることで、酸素飽和度(SpO2;血液の中の酸素の量)が測定できます。
「98」という数値が酸素飽和度(%)です。 「48」は脈拍(bpm(回/分))。
緑の波打っている線が、脈を表しています。
これだけでも感動したのですが、もっとすごい機能がありました。左側面にはmicro USBがついており、そこに付属のケーブルを接続すると、こんな感じになります。
これで、酸素飽和度(SpO2)の連続モニタリングが可能になります。
酸素飽和度(SpO2)の連続モニタリング
どのように活用するのでしょう。
例えば、就寝中に呼吸が止まり、酸素飽和度が低下する(低酸素状態になる)「睡眠時無呼吸症候群」という病気があります。高血圧や心臓病など様々な病気との関連があり、重症の睡眠時無呼吸症候群を放置してしまうと死に至ることもあります。また日中の眠気を催すことから、交通事故の原因となる場合もあります。
睡眠中の低酸素状態の存在を把握できれば、睡眠時無呼吸症候群の潜在の可能性があり医療機関を受診するきっかけにすることもできます。
早速、自分で睡眠中に装着してみました。
一晩装着し、そのデータをスマホのアプリに転送すると、レポートが出力されます。すごい。全部で5ページありますが、とりあえず2ページ分はこんな感じです。PDFで出力可能です。
これが、本当に信頼に値する測定精度であれば睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングに十分なると思います。
問題点も
医療機器ではありませんし、もちろん問題もあります。
自分も酸素飽和度80%台に落ちる時間帯がありました。これが本当に低酸素になったのか、あるいは機器の精度が低いせい(例えば体動や指サックのズレ、接触不良など)なのか、わかりません。同時間帯の心拍数には大きな変動はありませんので、真の低酸素ではなかったと信じたいです苦笑。
そもそも、本体側面の赤い光に指を当てた時の測定値と、ケーブルを繋いで指サックでの測定値に乖離がありました(98% vs 96%)。指サックの測定値の方が低く出るような傾向があるようです。これが、布施個体の問題なのか、この一製品の不具合なのか、製品全体の傾向なのかもわかりません。
日本では医療機器として認可もされていませんし、今は単なる「おもちゃ」です。
睡眠時無呼吸症候群の診断も決して出来ません。
あと、スマホのアプリは反応が悪いし、すぐ落ちます。
睡眠時無呼吸症候群のよくある流れ
ひどいいびきや就寝中の無呼吸の指摘、あるいは日中の眠気など睡眠時無呼吸症候群を疑うような症状がある場合に医療機関を受診し、医師の判断を経て必要に応じて専用の機器で診断のための検査をします。さらに詳しい検査として1泊の検査入院が必要となる場合もあります。診断がつけば、陽圧酸素療法(CPAP)をはじめとするいくつかの治療法や対処法があります。至適な治療を施せば、経過は悪くない病気です。
しかし、睡眠時無呼吸症候群を疑う症状があっても気づかれない、気づいていても医療機関を受診しないケースは少なくありません。
そのような人に、このように気軽に利用できる酸素飽和度連続モニターがあれば、より客観的な情報を気軽に得られて医療機関受診を促し、必要な人が適切な治療を受けれる確率が上がる効果があるかもしれません。
繰り返しますが、この製品は今の所「おもちゃ」です。診断は出来ません。
しかしながら、この製品をすでに利用している患者さんが存在していることも事実です。このスマートウォッチを購入、使用して気になる結果が出た方は気軽にご相談ください。
ということで、今自分は右手にアップルウォッチ、左手にSoukengenとCMS50Kをしています(笑)。