心電図機能付きスマートウォッチがプチマイブーム
自分の中では心電図機能付きスマートウォッチがプチマイブームです。
SOUKENGENスマートウォッチ
携帯型心電計
医療機器として認可されている携帯心電計には、例えばこんな製品があります。
循環器医としての日常臨床で、不整脈診断に役立つことがしばしばあります。以前にも少し触れたことがありました。
この携帯心電計は、こんな感じで胸に当てるようにして心電図を記録します。
(上記amazonのページより転載)
携帯型心電計・スマートウォッチ同時測定
このオムロン 携帯型心電計 HCG-801を胸に当てて心電図を記録しつつ、同時に左腕に装着したSOUKENGEN心電図機能付きスマートウォッチでも心電図を記録してみました。
オムロン 携帯型心電計の記録は、流石に綺麗です。P波も確認できます。
(尖った波をQRS波と言います。その直前にごく小さな上むきの波がP波です。)
不整脈診断にP波の存在が重要なポイントになることもあります。
機器の画面ですと3拍のみですが、PCにソフトをインストールすることでPCではもっと心電図っぽく長い時間の記録を出力することができます。
心電図機能付きスマートウォッチは、QRS波は綺麗に描出できますが、やはりノイズが多いです。 携帯型心電計で確認できたP波は確認できません。
心電図機能付きスマートウォッチはワンタッチでこんな記録もPDF出力できます。PCへのソフトインストールも不要です、便利です。これでみても、QRS波はよくわかりますが、P波はノイズのせいもあり、認識できません。
スマートウォッチを胸に当てて記録してみる
心電図機能付きスマートウォッチを、携帯心電計のような使い方で胸につけて使ったらどうなるのでしょうか。
腕から外して、スマートウォッチ本体の裏面(通常腕に接する面)を、左胸の下(先の携帯心電計の写真と同様の位置)に付けて、記録してみました。
ノイズは少しあるものの、P波(赤い丸)が確認できます!
やはり、腕からの記録よりも、胸での記録の方が心電図の波形的には精度が高くなるようです。
携帯型心電計を腕に当てて記録してみる
では、逆に 携帯型心電計をスマートウォッチのような使い方で左腕に当てて記録してみましょう。
QRS波がとても小さくなってしまいました。機器の自動解析でも「解析できません」というコメントが出ました。画面右下の心拍数も”Err”(エラー)表示になっています。もちろん、P波も認識できません。やっぱり、良い波形を描出するには胸に当てる必要がありそうです。
まとめ
・オムロン 携帯型心電計 HCG-801を正しい使い方で胸に当てて記録すると綺麗な心電図波形が得られます。P波もわかります。
・オムロン 携帯型心電計 HCG-801を腕に当てても綺麗な心電図波形は得られませんでした。QRS波は小さく、P波もわかりませんでした。
・SOUKENGEN心電図機能付きスマートウォッチを通常の使い方で腕に装着して記録するとQRS波形の認識は十分できますが、ノイズ多めで、P波の描出は難しそうです。
・SOUKENGEN心電図機能付きスマートウォッチを胸に当てて記録すると腕経由の記録よりも相対的に綺麗な心電図波形が得られ、P波もわかります。
それが可能な環境であれば、心電図機能付きスマートウォッチを腕から外して胸に当てて記録するとよいですね。