布施です。
前回、魚食により安静時心拍数が下がるという話をしました。
魚にはオメガ3脂肪酸という成分が含まれており、
魚食が体に良い効果を発揮する1つの因子であるとされています。
EPAとか、DHAとか、耳にしたことがある方も多いと思います。
それらが、オメガ3脂肪酸です。
この魚に豊富に含まれるオメガ3脂肪酸の摂取が不安症軽減効果を示す、
というメタ解析論文がつい最近発表されました。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2702216
19件の研究、2240人が対象で、平均年齢は約43歳。
結論としては、
オメガ3脂肪酸を摂取している人は、そうでない人よりも、不安症状が軽減していました。
基礎疾患がある人の方が効果的であり、
また、オメガ3脂肪酸製剤の量が多い方が(>2g/日)効果的でした。
通常不安が強ければ、ドキドキしますので、
心拍数は速くなる傾向があるでしょう。
オメガ3脂肪酸の不安軽減効果が、
魚食の安静時心拍数低下につながっている可能性もあるかもしれません。
不安傾向でお悩みの方は、オメガ3脂肪酸製剤の内服も選択肢かもしれませんが、
医療機関で処方されるオメガ3脂肪酸製剤である「エパデール」も「ロトリガ」も不安症の適応はありません。
また、通常の市販されているオメガ3脂肪酸のサプリメントでは1日2gにはなりません。
ということで、不安症目的のオメガ3脂肪酸は、あまり現実的ではないと思います。
とりあえず魚食べましょう笑。