まごわやさしいの「い」。芋です。

ジャガイモ サツマイモ

芋もいろいろです。

例えば、代表的な2つ

 

・ジャガイモ(馬鈴薯〈ばれいしょ〉、学名:Solanum tuberosum L.)英: potato

サツマイモ(薩摩芋、学名: Ipomoea batatas)英:sweet potato としばしば記載される

 

これ以外にも勿論たくさんあるわけですが、この2つだけでも意外と成分が異なります。

 

ジャガイモ100g:エネルギー76kcal、たんぱく質1.6g、脂質0.1g、炭水化物17.6g。

さつまいも100g:エネルギー132kcal、たんぱく質1.2g、脂質0.2g、炭水化物31.5g。

(参考:カロリーSlim  http://calorie.slism.jp/

 

さつまいもは”sweet potato”なだけに、炭水化物が多いんですね。sweetなので、糖質が多いのでしょう。

 

ポテトの研究

ポテトの研究は、あまり多くはなく、質の高いメタ解析論文は見当たりませんでした。小さめのメタ解析や、レビュー論文などはヒットしました。アウトカムとしては、生活習慣病系が主でした。癌はあまり見かけず、死亡といったハードアウトカムも目に止まらなかったです。

 

食事の疫学研究では”potato”との表記が圧倒的に多く、芋全般が含まれているのかもしれません。

でも、baked, boiled,  mashedなどの調理法から推測すると、ジャガイモが主かもしれません。

 

 

ポテトと高血圧

https://www.bmj.com/content/353/bmj.i2351

3つのコホート研究を合わせた研究では、ポテト料理(baked, boiled,  mashed)を食べる頻度が月1回以下の人より、週4回以上食べる人の方が、11%高血圧リスクが高かったという結果でした。

フレンチフライは、同様に17%リスクが高かったです。

全般的に調理に使う塩分やバターなどの影響も、とても気になるところです。

ポテトチップスがリスクに有意差がなかったのが謎です笑。

 

ポテトと肥満、糖尿病

https://academic.oup.com/ajcn/article/104/2/489/4564613

複数の観察研究のレビュー論文です。

 

ポテトと体重増加、肥満の関係については、結果は一定していません。ポテトを多く食べると、そうでない人よりも、体重増加・肥満が助長されるという研究もあるし、そうでないとする研究もあります。フレンチフライは体重増加・肥満を促すが、その他のポテト料理は促さないという研究もあります。

 

ポテトと糖尿病の関係についても、結果は一定していません。ポテトを多く食べると、そうでない人よりも、糖尿病が助長されるという研究もあるし、そうでないとする研究もあります。フレンチフライは糖尿病を助長するが、その他のポテト料理は促さないという研究もあります。むしろ血糖値が下がる傾向があるという結果を示した研究もあります。

 

こちらの研究では、3つのコホート研究で、ポテト料理を全粒穀物に切り替えると糖尿病リスクはどうなるのかを調べています。

http://care.diabetesjournals.org/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=26681722

ポテト料理をを全粒穀物に切り替えると、糖尿病リスクは低下します。

フレンチフライを全粒穀物に切り替えると、糖尿病リスクはより大きく低下します。

フレンチフライ以外のポテト料理(baked, boiled,  mashed)を全粒穀物に切り替えると、糖尿病リスクは低下しますが、その度合いは前者より小さいです(下グラフ)。縦ラインよりも左に伸びるほどリスクが低下することを意味します。

 

 

ポテトと心臓血管疾患

ポテトと心臓血管疾患の関係については、関連がないとする研究が主のようです。先のレビュー論文もそうでしたし、

下記論文のサブ解析でも、心臓疾患(冠動脈疾患)との関連はありませんでした。ただ、この論文だと、ポテトは脳卒中リスクをわずかに軽減させる傾向にありました(下グラフ)。サブ解析でnが少ないと思いますので参考程度です。

https://academic.oup.com/ije/article-lookup/doi/10.1093/ije/dyw319

 

 

まとめ

ポテト摂取は、高血圧リスクを若干増加させ、体重増や糖尿病はややcontroversialではありますが、若干リスクを高める研究が有意なように感じます。少なくとも、全粒穀物よりは糖尿病のリスクを高めます。心臓血管疾患にはあまり悪影響を与えないようです。

 

フレンチフライは、高血圧、糖尿病、肥満リスクを高めると考えられます。

 

フレンチフライ以外でも、先にも書きましたが、全般的に調理に使う塩分やバターなどの影響がとても気になります。欧米の研究が主ですから、結構コッテリなポテト料理になっているようにも思います。シンプルに、茹でて、塩分やバターなども使わないか、最小限にして楽しめば、それほど健康への悪影響はないのではないか?との仮説も立てられそうです。

フレンチフライは、間違いなく健康には悪いです。

スマイル0円、「ポテトはいかがですか?」は、悪魔の囁きと思いましょう笑。