おはようございます(ハイタッチ笑!)。布施淳です。
狭心症や心筋梗塞、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常(コレステロール)、肥満、等いわゆる生活習慣病の方を多く診ています。薬の処方は最小限にしたいのが自分の原則ですので、無理のない範囲での生活習慣是正を推奨しています。具体的には、食生活、そして身体活動促進です。
しかし、患者自身は生活習慣を「是正しよう」という意志があっても、なかなか実践できないケースがあります。そのような方の中には、多忙で「睡眠不足」が潜んでいる場合があります。「睡眠不足」は、生活習慣病の諸悪の根元になり得ます。
睡眠不足で食欲亢進
睡眠不足により、
・食欲促進ホルモンであるグレリン濃度上昇→空腹感増強・食欲亢進
・食欲抑制ホルモンであるレプチン濃度低下→空腹感増強・食欲亢進
・長時間の活動→空腹感増強・食欲亢進
・高糖質食に対する食欲亢進
というように、自身の意に反して、食欲が亢進し摂取カロリーが増えてしまいます。肥満を助長します。睡眠不足により食事療法は脆くも崩れてしまうということになります。「意志が弱い」のではありません。生体反応です。
睡眠不足で活動低下
また、睡眠不足により、日中のQOLが下がります。活動度が下がります。誰もが経験的に理解できることかと思います。睡眠不足ですと、日課の朝のジョギングをサボってしまう確率が上がります。睡眠不足ですと、いつもは階段を使うところを、ついついエレベーターやエスカレーターを使ってしまいます。運動習慣や日常生活の中での活動習慣(NEAT(Nonexercise Activity Thermogenesis))が脆くも崩れてしまうことになります。消費カロリーが減り、肥満を助長します。
睡眠不足でホルモンバランス悪化
睡眠不足により、その他の各種ホルモンバランスが崩れます。例えば、
・交感神経活性亢進→インスリン抵抗性増強→糖尿病
・夜間コルチゾール上昇→インスリン抵抗性増強→糖尿病
そして、糖尿病や肥満を助長します。
睡眠を見直してみよう
自分は意志が弱いから、生活を修正できない。。。
ついつい、食べてしまう。。。
そんな場合は、睡眠不足が潜んでいないか?睡眠障害がないか?質の高い睡眠が得られているか?に着目すると改善の糸口が掴めるかもしれません。単に「意志」の問題ではない可能性があるのです。