こんにちは。布施淳です。
これまでの「新しいタバコ」の変遷。出典は→ J. Natl. Inst. Public Health, 64(5): 2015
今、日本で使える電子タバコを具体的に、ちょっと整理。
① IQOS:フィリップモリス ジャパン
② Ploom TECH :日本たばこ産業(JT)
③ glo:BAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン)
④ VAPE
まあ、徒らにおしゃれです。若者たちの興味をそそりそうで、心配です。
電子タバコは、ニコチン入り、ニコチン無し、に分けられます。
- Electronic Nicotine Delivery Systems: ENDS
- ニコチン入り溶液を吸入するタイプ
- Electronic Non-Nicotine Delivery Systems: ENNDS
- ニコチン無し溶液を吸入するタイプ
①-③は、たばこ会社のものですから基本的にはENDS主体ですが、おそらく④はENNDSであり、様々な(たばこ会社じゃない)会社が販売しているものと思われます。④は未成年でも使えます。”タバコ”じゃないですから。
①–④共通して、電子タバコの充填液はe-リキッドとも呼ばれプロピレングリコール,グリセロール(グリセリン)などのグリコール類を主成分に各種香料や添加物が加えられています。いろいろなフレーバー、味を楽しめるようになっています。電子タバコ蒸気・エアロゾル中にIARC 発がん性分類グループ1 に分類されるホルムアルデヒド、グループ2B のアセトアルデヒド、さらに刺激性を有するアクロレインなどを発生するものがあることが確認されている、そうです(日本禁煙学会)。まだ、その蒸気の周囲の人への悪影響のほどはまだまだ不明な点が多いのですが、日本禁煙学会は、
「電子タバコから発生するエアロゾルは決して単なる「水蒸気」では無い.」
として、警鐘を鳴らしています。
前回(電子タバコは、身体に悪いのか?)、申し上げた通り、通常のタバコよりは電子タバコはマシであり、喫煙者が、禁煙する過程で活用するのは悪くないと思います。では、電子タバコの販売が問題ないかと言うと、そうではありません。
喫煙者→電子タバコ→完全禁煙
これは望ましい展開です。でも、一見おしゃれな電子タバコに興味を持った若者が、
非喫煙者→電子タバコ→喫煙
のプロセスで、ニコチン依存症に陥ってしまう可能性は大いにありそうです(報告あり)。
国民、特に若い方々の安全性を最優先とし、タバコ会社の戦略に陥らないように、環境構築していく働きかけが必要と僕は思います。
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