おはようございます。布施淳です。

ネットで見かけた論文。

 

Optimal Lifestyle Components in Young Adulthood Are Associated With Maintaining the Ideal Cardiovascular Health Profile Into Middle Age

http://jaha.ahajournals.org/content/4/11/e002048.full.pdf

 

若年期における4つの要素

 

①肥満の程度BMI>25か?<25か?)

②ダイエット状況 (AHEIスコアが高いか?)

③身体活動の程度(中等度以上の身体活動を>150分/週しているか?)

④喫煙状況(喫煙の有無)

 

この4つ各々と、それらの組み合わせが、中年期の心血管疾患をどの程度助長するのかということを調べた研究です。

 

米国で行われたコホート研究で、18歳から30歳までの2164人の男女が対象です。高血圧も、高コレステロールも、高血糖も、心臓病もない、健康な人たちです。1985〜86年に、この2164人の上記①〜④の4つの要素の有無を調べ、25年間追跡し、血圧上昇や高コレステロール血症、高血糖、糖尿病や心臓血管病を発症したか、しなかったか、を調べました。

 

結果は、25年の間で、80%もの人が上記の病的状態のいずれか(血圧上昇や高コレステロール血症、高血糖、糖尿病や心臓血管病)となりました。うち54%が血圧上昇でした。そして、若年期に肥満だった人(BMI>25)が、中年期の病的状態になる頻度が高かったのです。肥満だった人(BMI>25)が、同時に喫煙もしていた場合が、最も病気になりやすいという結果でした。

 

JAHA BMI2red blue

 

上の図の、左側の欄、✔︎が入っていると、肥満でない(BMI<25)、タバコを吸っていない、PA(身体活動)をよくしている、ダイエットをしている、ということを表します。

右側の横棒が右側にシフトするほど、病気になりやすいということを示します。

 

 

下半分(赤)は全部BMIに✔︎が入っている、すなわち肥満でなかった(BMI<25)人たち。他の要素が悪くても(運動不足でも、ダイエットしていなくても)、あまり病気になりやすくないのです。喫煙しているとちょっとだけ病気になりやすくなります。

上半分(青)は全部BMIに✔︎が入っていない、すなわち肥満(BMI>25)だと、総じて横棒が右側にシフトしていき(病気になりやすい)、特に上の3段は喫煙もしているグループです。横棒はかなり右側、すなわち、より一層病気になりやすいということがわかります。

 

 

18-30歳程度の若年期に、肥満体型の人は要注意です。若い時期から肥満は、健康に良くないのです。肥満の人が喫煙するということは、中年期に病気になりやすいということですから、健康体を望むのであれば避けるべきです。若いうちなら、暴飲暴食喫煙しても大丈夫、、、と思ってはいけません。

数日前の記事 力士は、太く、短く、で良いのか? で、力士の肥満を問題視しました。力士はまさに、若い時期での肥満です。そして、45歳で心臓死した、音羽山親方(元大関貴ノ浪)は、かなりのヘビースモーカーだったそうです。不幸な転帰を辿った、典型的背景だったと言えます。

 

力士はともかく、20代で肥満体型の方は是非、早いうちに是正し、健康な肉体で日本経済を支え続けてもらいたいものです。