安静時心拍数が遅い方が死亡リスクが低いという話はこれまでなんども出てきました。

 

(成人の範囲で)年齢は関係ないのですか?という質問を頂きました。

 

高齢者の安静時心拍数

 

例えば、高齢者の場合はどうなのでしょうか?

ヒントとなる論文があります。

対象が心不全を有する患者さんであり、一般的な健康な人とは異なります。

 

この論文では、

75歳未満の患者さんでは、

・安静時心拍数50/分が最もリスクが低い。

・50/分より速くなるに連れて死亡リスクが上昇する。

 

75歳以上の患者さんでは、

・安静時心拍数68/分が最もリスクが低い。

・68/分より速くなるに連れて死亡リスクが上昇する。

・68/分より遅くなるに連れて死亡リスクが上昇する。

・つまり安静時心拍数68/分より速くても、遅くても死亡リスクが上昇する。

 

 

心臓は電気が流れて動くことができます。

ご高齢になると、その心臓の電気の通り道が劣化して、うまく電気が流れなくなることがよくあります。

そのため、徐脈性不整脈(心拍数が遅くなるタイプの不整脈)の頻度が増えます。

おそらく、68/分未満の人たちには一定数そのような徐脈性不整脈の方が含まれているものと推測します。

 

心不全のない元気なご高齢の方にはこのデータは当てはめることはできませんが、ヒントにはなるかもしれません。

 

まとめ

ご高齢の方は、安静時心拍数が低すぎるとあまりよくないかもしれない。

 

 

【参考文献】

Lupón J, Domingo M, De antonio M, et al. Aging and Heart Rate in Heart Failure: Clinical Implications for Long-term Mortality. Mayo Clin Proc. 2015;90(6):765-72.