布施です。

ゴルフは、年齢が上がっても楽しめるスポーツです。
緑多い開放的な環境で、美味しい空気を吸いながら楽しむ感じも良いですよね。

 

一方で、プレー中に健康トラブルを起こしやすいスポーツでもあります。
東京都監察医務院の研究によると1948年から1999年の間に東京23区内で生じたスポーツ中の突然死534件を解析。ゴルフプレー中の突然死は40件で、平均年齢55歳以上の種目の中ではゴルフが最多でした。ゴルフ中の突然死の平均年齢57歳、死因は6割が虚血性心疾患、3割が脳血管疾患でした(1)。いわゆる心臓発作で突然死する方が多いのです。

 

幅広い年代で楽しめるはずのゴルフがなぜ、そのようなリスクが潜在してるのでしょうか。

 

ゴルフは通常早朝からのスタートであり、睡眠不足が背景にある場合が多いです。
早朝は血圧が高めであったり自律神経のバランスが不安定でもあります。
ゴルフコースは18ホールで歩行距離はおおよそ10kmほどになります(2 )。
サラリーマンなど普段の歩行距離よりも長くなります。
ゴルフプレー中の平均心拍数は100-110/分ほどです(2)。
通常よりも速い状態が、1日続くわけで、運動不足の方にとっては心臓の負担になります。
さらにスイングで心拍数が急上昇することも指摘されています。
例えば1番ウッドを振ることでは30/分以上心拍数が上がります(3)。
重要なパターなど、精神的ストレスを感じる場面も多々あります。

 

一方で、ゴルフをする方の中心は、50-60代、あるいはそれ以上の年代ですから虚血性心疾患など動脈硬化性疾患が潜在している可能性が比較的高い年代です。

 

つまり、動脈硬化性疾患が潜在している確率が比較的高い方が、不十分な体調の中、通常よりも心身に負担がかかる状況にさらされます。そのため、心筋梗塞を生じたり、突然死に至ったりする確率が上がるのです。
ゴルフの運動負荷は4.8METsほどで中等度と考えられています(5)が、実際にはその数値以上に身体に負担になっている可能性があります。
ちなみに、ゴルフ中の心筋梗塞の発症は午前中が多く、発症タイミングとしてはフェアウエー中が最多、ついでホール移動中です(4)。グリーン上は多くないようです。

 

ゴルフ中の健康トラブルを避けるためには、

普段から定期的な運動を習慣付けましょう。
ゴルフ前日は早めに就寝し、睡眠時間を7時間目標に確保すること。
また、前日夜は飲酒は控えて当日早朝の脱水傾向を回避しましょう。
そして、健康診断を含め、心臓など動脈硬化系のチェックを受けておくとより安心です。

 

【参考文献】

1 心臓Vol38 Suppl3(2006)
2 BMJ Open. 2017 Nov 28;7(11):e018993
3 京都女子大学生活福祉学科紀要第1号平成17年(2005年) 1
4 順天堂医学49(3) p.321-326 (2003)
5 Br J Sports Med. 2017 Jan;51(1):12-19.