自由診療主体でクリニックを始めることにしました。

ウェルビーイングクリニック駒沢公園

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、前回申し上げたように、VIA-CSでは自分のキャラクターストレングス(強み)の1位は「誠実さ」でした。

「強み」はメタ認知して、中庸に調節して初めて「強み」

 

内省してみると、「自由診療主体のクリニック」という判断は、医師としての「誠実さ」の表れと思うのです。

 

 

環境にもよりますが、自分が最も身近だった循環器系の視点では今現在病院や診療所で行われている保険診療には、多くの無駄或いは非効率的介入が含まれています。極論を言うと1日の仕事の多くが、本来やらなくても良い仕事、、と感じることもありました。もちろん、本当に大事な非常に意義のある仕事もありますが、その割合は意外と少ないのです。

病院では、非効率的な検査、非効率的なカテーテル治療、無駄な集中治療室入室・・・。

かつて某大学教授は「循環器内科医の仕事の8割は無駄」と発言したことがあります。ちょっと言い過ぎではありますが、当たらずとも遠からずと感じたことを記憶しています。

現場の医療者に悪気はありません。そうでないと医療施設の経営が成り立たないという面もあります。保険診療のシステムを始めとする日本の医療環境・構造の問題とも言えます。

 

診療所も無駄な検査、無駄な薬が目に付きます。優秀な先輩医師の方々なのですが、東京だと診療所の固定費もかさみますから、経営を考えるとそうなってしまうのかもしれません。自分が仮に同じエリアで同じように診療所を開設したら、同じようになってしまうのかもしれません。

医師側の問題のみならず、患者の問題もあります。先日、地方の内科系開業医の方とお話しした時には、「来院する患者の95%は受診の必要がないような人」と言っていました。必然的に、必要性の低い処方も増えてしまいます。皆保険制度の影響もあり、医療受診閾値が低く、医療リテラシーが低いのが日本の傾向です。日本全体のリテラシー底上げも急務と思います。

 

本当に価値ある医療に専念したい。自由診療主体のクリニックでそんな環境構築を試みるという選択に至ったのです。現在の保険診療はそれだけ矛盾を孕んでいると言えるかもしれません。当然、経営としては、リスクのある選択なのですが、医師としての「誠実さ」と不器用さがそうさせている、と自分で考察しました。行けるところまで、行きたいと思います。