自分の外来に通う、高齢女性。

 

「心臓の調子は良いけれど、疲れやすいし、身体がだるいのよねー。周囲の老人たちもみーんな同じようなこと言ってますよ。年を取ると、責任のある仕事が何もなく、自分の身体のことを考えているだけ。」

 

その日外来は、まあまあ空いていたので、傾聴。そしたら、こんなことも話し始めました。

 

「以前は、とあるボランティア活動やっていてとても楽しかったのですが、心臓を患って、辞めてしまいました。今でも仲間には、戻ってくるように誘われるのだけれど、自信がないので断っています。自分のこともままならない老人が、人の世話をするのもどうかと思いますし。」

 

このブログでも時々触れている幸せのフレームワーク「PERMA」。

例えば、

“PERMA”は、最高の予防医療の1つ

 

 

P :ポジテイブ感情(positive emotion)

E :エンゲージメント(Engagement)

R:関係性(Relationships)

M:意味・意義(Meaning)

A:達成(Achievement)

 

この方は、ボランティアを再開することで、今よりも前向きな気持ちになり(P)、一生懸命ボランティア活動に打ち込み(E)、仲間に囲まれ(R)、人に役立っているという意味意義を感じ(M)、そのような仕事の達成感を味わう(A)ことと思います。疲れやすいとか、だるいとか、感じている暇もなくなるかもしれません。

 

この方は幸い心臓病の方は落ち着いており、ボランティア業務は全く問題なくこなせます。

この方への「治療」は一択、こう伝えました。

 

「ボランティア活動を再開しましょう」

 

病院に通院したり、薬を飲んだり、手術をしたり、、、もちろんそれらが重要なこともありますが、そんなことよりも、PERMAの充実を図った方が、豊かな人生につながることも少なくないと思っています。

 

その患者の生活背景を知らないと、そのようなアドバイスをすることもできません。通常の混雑した3分外来では、そのような情報を聞き出すことは、なかなか難しいのが現実です。