布施淳です。気づけば、1ヶ月ぶりの更新です。

 

ふと見かけた加糖飲料関連の論文。

Frequent Sugar-Sweetened Beverage Consumption and the Onset of Cardiometabolic Diseases: Cause for Concern? | Journal of the Endocrine Society | Oxford Academic

https://doi.org/10.1210/js.2017-00262

加糖飲料(Sugar-Sweetened Beverage; SSB)の身体的影響をまとめたようなレビュー。

これを元にいくつか文献を探り、さらに、勝間さんがお勧めしていた「甘くない砂糖の話」も観てみました。

 

 

 

加糖飲料が原因で、世界で年間◯◯人が死んでいる。

“added sugar”とは、加工したり調理したりする際に加える砂糖、あるいは飲食する際に加える砂糖のこと。アメリカではこのadded sugarの47%が加糖飲料由来とのことです(2015-2020 Dietary Guidelines – health.gov)。

そして、この加糖飲料が原因で、世界で年間18万人(2010年)もの方々が命を落としています(Circulation 2015;132:639-666.)。その72%が、糖尿病関連の死亡です。

ちなみに、

身体不活動で、世界で年間500万人ほどの人が死んでいます。

喫煙で、世界で年間700万人ほどの人が死んでいます。

それに比べたら、可愛いものかもしれませんが、それでも無視できません。

 

 

加糖飲料と体重増加

ソフトドリンク(コーラや7upなど)を飲む習慣は、どの程度体重に影響があるのでしょうか。

週に2杯飲む習慣は、5年後の体重増加を530g助長するというデータがあります。1杯の目安は237mlです。(Am J Epidemiol. 2010 Mar 15;171(6):701-8.)

この論文では、5年後に、3kg以上体重増加している確率は、週2杯未満の人より、週2杯以上の人が1.7倍高いというデータも示していました。

たった530gの増加か、、と思う方もいるでしょう。

週に2杯程度飲むだけでも体重が増えるのか、と思う方もいるでしょう。

解釈はそれぞれでしょうが、とりあえず、体重は増えやすいようです。

 

 

加糖飲料と糖尿病

11の研究のメタ解析(British Journal of Nutrition (2014), 112, 725–734)によると通常の加糖飲料を1日330ml飲んでいると、20%糖尿病になる確率が高く、人工甘味飲料を1日330ml飲んでいると、13%糖尿病になる確率が高い、という結果でした。それらは容量依存的に高くなってきます。

 

10の研究のメタ解析(PLoS One. 2014 Mar 28;9(3):e93471. )によると、加糖フルーツジュース(要は果汁100%じゃないやつですね)を飲む人は28%糖尿病になる確率が高く、100%フルーツジュースを飲む人は有意な糖尿病になる確率の上昇はありませんでした。

 

加糖飲料は、糖尿病の大きな原因の1つです。自分が勤めている病院でも、その辺の啓発がなされています。こんなポスターが貼ってあります。

 

 

加糖飲料と高血圧

これは、自分もやや意外だったのですが、加糖飲料は高血圧も助長します。まあ、考えてみれば、体重が増えれば、血圧は上がるから当然かもしれませんが。

7つの研究のメタ解析(Arch Cardiovasc Dis. 2016;109(4):242-53.)では、加糖飲料を平均1日1サービング以上飲む人は、ほとんど飲まない人に比べて、高血圧になる確率が12%高い傾向でした(有意差あり)。1日1サービング増える毎に、8%その確率が上昇しました。1サービングとは、明記はされていませんが、240-350ml程度が目安でしょうか(私見)。また、人工甘味飲料については、同様に14%上昇でした。

12の研究のメタ解析(Am J Cardiol 2014;113:1574e1580)では、加糖飲料 約350ml/日で、高血圧のリスクが6%以上上昇
し、収縮期血圧は1.8 mmHg上昇(18ヶ月フォロー)するという結果でした。

糖尿病のみならず、高血圧対策としても、加糖飲料を控えることは有効のようです。

 

 

加糖飲料とメタボ

肥満になりやすく、糖尿病になりやすく、高血圧になりやすいのであれば、それらを統合したような概念のメタボリック症候群にも当然陥りやすいわけです。

12の研究のメタ解析(Int J Clin Pract. 2017 Feb;71(2).)では、加糖飲料により44%メタボリック症候群になりやすいという結果です。人工甘味飲料も、同様に38%メタボリック症候群になりやすいという結果です。

 

ちなみに、複数の研究から、単に体重増加や過剰エネルギー摂取によりメタボリック症候群になるだけでなく、異なったメカニズムでインスリン抵抗性が上昇したり、中性脂肪や悪玉コレステロールなどが上昇することが指摘されています。

 

加糖飲料は、内臓脂肪、脂肪肝、筋肉内脂肪を助長します。ダイエットソーダは大丈夫でした。( Am J Clin Nutr . 2011;95(2):283–289.)

 

 

加糖飲料と心筋梗塞

んで、最後はこの関係。

7つの研究のメタ解析(Int J Clin Pract, October 2016, 70, 10, 791–805)では、加糖飲料は心筋梗塞リスクを19%増加させます。1日1サービング増える毎に、そのリスクは22%増加します。

 

 

身の回りは砂糖だらけ

すっかり、硬い文章になってしまいましたが、言いたいことは、砂糖に気をつけろ!ってことです。

 

アメリカ心臓協会は、1日のadd sugarsの摂取量を女性25g/日、男性36g/日未満を推奨しています。

WHOは、1日のadd sugarの摂取量を50g/日未満(摂取カロリーの<10%)を強く推奨し、更に25g/日未満(摂取カロリーの<5%)を提案しています。

メタボや、糖尿病や、高血圧、心筋梗塞を扱っているような医療者も、平気でコンビニで加糖飲料や健康食風加糖製品を飲食しています。なんとか、周知していかねばなりません。

今朝の、とある若手医師の朝食を激写。一応健康を気遣ってヨーグルト製品を2つ選んだようです。

高千穂牧場飲むヨーグルト:炭水化物32g

OHAYO ぜいたく果実まるごとブルーベリー&ヨーグルト:炭水化物19.4g。

合わせて、32+19.4=51.4g。角砂糖13個分。朝のヨーグルトだけで、これです。良かれと思った選択も、おそらく本人の思惑とはやや乖離があるものかと思います。

(正確には、乳製品にはNaturally occurring sugars、つまり元々糖類(ラクトースなど)が含まれているため、add sugarsはもっと少ないです。一般的な市販の牛乳には200mlで10g弱のラクトースが含まれています。)

皆で気をつけましょう。とりあえず、購入しようとする製品の栄養成分表示をチェックすることをお勧めします。飲料なら、炭水化物=砂糖と解釈しましょう。