こんにちは。布施淳です。

 

ランダム化比較試験(RCT)

医療の世界では、例えば薬の臨床試験の際に使用されるのがランダム化比較試験(RCT)です。

すなわち、それぞれの患者に無作為に、薬剤Aと偽薬を投与して、その効果を比べるわけです。

 

プラセボ効果

効果がないはずの偽薬を投与しても、実はある程度の「効果」が認められます。それを「プラセボ効果」と言います。我々、医師の多くはその「プラセボ効果」を全く重要視しておらず、気のせい、くらいに思っている者もいます。

 

プラセボ効果の内訳

しかし、割と最近の有名医学雑誌(BMJ 2017;356:j674 )にこんな図が出ていました。

「気のせい」とも言えるプラセボ効果を、ご丁寧に細分化しています!

 

プラセボ効果を3つの要素に分けています。

① 自然治癒力

② マインドセット

③  社会背景

 

自然治癒力は、ご自身の免疫力などが働くことで発揮されます。

マインドセットとは、患者の意識とか思い込みとか、治療への期待などのことです。

社会背景とは、医療の慣習や、医師患者関係(信頼関係など)、医療施設の評判やブランドなどです。

これらが作用して、薬理作用以外の機序で病気が治るのです。

 

特に近頃、マインドセットの心身への影響が小さくないことを示唆する報告が散見されます。このブログでも近いうちにご紹介したいと思います。気分の問題だけでなく、客観的で測定可能な形で影響を及ぼす場合があるのです。同様に、社会背景の要素も、患者の気分だけでなく、客観的な影響を及ぼし得るのです。そして、自然治癒力を強化します。

 

 

日々の診療でも

日々の診療でも、医師は下記のように、治療効果を薬や手術以外のこれら3つの要素を念頭に入れ、より重要視する視点も重要になります。

たとえば、信頼されるような身だしなみで患者に対応することで、単なる良い印象だけでなく、治療効果に好影響が出ることがあり得るのです。

 

患者としても、薬のみの効果に頼らず、もっと治療効果を増強できる方法がありそうです。もっとも単純なことは、「治る!」と思えば治りやすくなるのです。