こんにちは。布施淳です。

 

前野隆司先生の「幸せの4因子」

前野隆司先生の研究から導き出された「幸せの4因子」。こんな因子を持っている人が「幸せ」というサイエンス。セリグマンのPERMAともよく似ていますが、よりevidence basedです。

 

1.  自己実現と成長 (やってみよう因子)

夢や目標を持ち、成長に満ちて、自己実現する。高い自己肯定感。

 

2. つながりと感謝(ありがとう因子)

他者に愛情や感謝の気持ちを持ち、親切にし、支援する。喜んだ顔がみたい。

 

3. 前向きと楽観(なんとかなる因子)

常に前向きで楽観的、気持ちの切り替えも早く、自己受容している。

 

4. 独立と自分らしさ(ありのままに因子)

自分を、周りや他者と比較せず、自分らしく、あるがままでいる。自己概念・信念が明確。

 

 

「死」の4つの側面

この本の著者アルフォンス・デーケンは、「死」を、四つの側面に区別していると言います。

 

  1. 心理的な死
  2. 社会的な死
  3. 文化的な死
  4. 肉体的な死

 

 

 

「幸せの4因子」と「死」の4つの側面

「心理的な死」

一番目の「心理的な死」は、療養型病院や老人ホームなどで、生きる喜びを失ってしまった人は、死を迎えたような状態である、ということです。 

これは、生きる目標を失う、つまり「幸せの4因子」の「1. やってみよう因子」の喪失に近いと思います。前向きな気持ちの喪失、「3.なんとかなる因子」の喪失でもあるでしょう。

 

社会的な死」

二番目の「社会的な死」は、社会との接点が失われて、外部との交流が途絶えてしまった状態です。閉鎖的な病院や老人ホーム、或いは一人暮らしによる社会からの孤立でも陥る現象です。

これは、つながりの喪失、つまり「幸せの4因子」の「2. ありがとう因子」の喪失に近いと思います。

 

文化的な死」

三番目の「文化的な死」とは、生活環境に一切の文化的な潤いがなくなることです。

これは、例えば、古い病院や施設の一室に文化的要素が全くない画一的な環境だったりすることで、自分が望むような環境にいることができない、と解釈すれば、「幸せの4因子」の「4. ありのまま因子」の喪失に近いと考えることができます。

 

 

「お前はすでに死んでいる」?

結局、「幸せの4因子」を失うことが「死」に値すると解釈することができます。この4因子を、自分として日々意識することは、「幸せ」になるのみならず「生きる」うえでも非常に重要なことと認識できます。もっと言えば、「生きる」ということは「幸せに生きる」と同義と言えます。

昔、漫画で「お前はすでに死んでいる」というセリフが流行りましたが、「死」の4つの側面を考慮して聞くと、全く笑えなくなります苦笑。

 

命を扱う職業である医療者としても、とても重要な概念です。

通常、四番目の「肉体的な死」を「死」と解釈することが多いかと思います。しかし、見方によっては、それは「死」の1/4しか占めていないのです。「肉体的な死」のみならず「心理的な死」「社会的な死」「文化的な死」を未然に防ぐ、或いはそこから救命する視点も併せて持っていたいものです。