おはようございます。布施淳です。

 

プレゼンテーションスキルは現代人にとって非常に重要な要素と思っていますので、他の方のプレゼンには大変興味があります。

 

最近印象的だったプレゼンが2つありました。別々の状況で拝聴したプレゼンでしたが、その2つは、コンテンツとして共通点があり、いずれも救命救急医による救命センターの現状に関することです。

 

救命センターには、重症な患者が搬送されてくるのですが、中でも、院外で心肺停止に陥った患者も次々搬送されてきます。最近は超高齢患者の院外心肺停止例が数多く搬送されてきます。下図は、院外心肺停止患者の年齢別搬送患者数のグラフです。70歳以上の高齢者で7割近く占めます。

平成27年度版 救急救助の現況(総務省)

 

「救命」センターですから、搬送されてきたら当然「救命」を試みることになります。しかし、高齢の院外心肺停止患者を懸命に治療しても、その治療が奏功する確率は極めて低いです。

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平成27年度版 救急救助の現況(総務省)

1ヶ月後の社会復帰率は、70歳で概ね5%、80歳で3%以下、90歳で1-3%、、、、ほどです。

救命率が極めて低い患者群が、救命センターに押し寄せ、救命医たちはその対応に忙殺され、状況によってはもっと若い年代層の患者への対応が手薄になったり、超高齢者でベッドが埋め尽くされ、若い患者が受け入れ困難になったりする事態も珍しくありません。

 

拝聴したプレゼンは双方ともに、結局、超高齢者の院外心肺停止患者の救命センター搬送を制限してはどうか?というような意見、問題提起でした。その結論だけを聞くと、倫理的に問題あり!!!と異議を唱える人も当然いらっしゃるでしょうが、現場の人間の切実な想い、直面する危機的状況、であり、机上の理論では済まない問題であることがひしひしと伝わってきました。

 

救命センターの現状のジレンマを訴える魂の雄叫びとでも言って良いようなプレゼン。

 

心の底から訴えたい! 訴えなければいけない!! という熱い想い、があるとプレゼンは迫力があるものになります。そこに、小手先のスキルは必要ないし、プレゼンスキルなんて、ごく些細なことだと思いました。

 

本当に、本当に、心の底から訴えたいこと。

 

これをプレゼンのコンテンツとすること。これを素直に表現すること。これがプレゼンでは最も重要なことである、という当たり前のことではありますが、痛感させて頂くよき機会となりました。