おはようございます。布施淳です。

いろいろな業務は一山越え、風邪もようやく回復傾向、生活のペースも少しづつ戻りつつあります。

 

先日、体調不良と、検診での異常を指摘され外来を受診された2人。ともに受診理由と仕事との関連が疑われました。

 

1人は介護系の仕事の方。週に複数回の夜勤業務があり、生活がかなり不規則のようでした。睡眠時間もまちまち、睡眠する時間帯もバラバラ、食事の時間も不規則。

1人は、職種はよく聴取できませんでしたが、ご自身があまり望んでいないような業務を「嫌々」やらざるをえない、早く仕事を辞めたいけれど、辞められない、というような状況のようでした。世の中には仕事に就けない人もいるので、そのような方々にしてみれば贅沢な話なのですが、、、というご自身の言葉もありました。

 

ちょうど、朝日新聞にこんな記事が紹介されていました。

 

worker-disease

 

職業により、病気になりやすさが変わります。このブログでもタクシー運転手の健康状態を問題視する記事など職業と健康の関連に触れたことがあります。

例えば、「なぜタクシー運転手は病気になりやすいのか?

 

経営者と、そして産業医や、労働者に接する医療従事者は彼らの業務形態や職場環境、職場に関わる生活習慣に着目し、サポートする必要性を強く感じます。夜勤がどうしても必要な業種はもちろんあるわけで、医療もその1つです。上記の1人目の方の介護職もそうです。人材を厚くして、なるべく1人あたりの負担を減らす仕組みを作りたいものです。近い将来ロボットの活用も大いに期待できる分野でしょう

 

そして、職業選択の重要性も感じます。上記2人目の方の話を拝聴すると、「自分がやりたくもない仕事をやるストレス」の悪影響を強く感じました。「自分がやりたいこと」を見極め、それが実現出来る業種に就きたいものです。給料が良いからとか、一流企業だからとか、就職先や職業の選択にはいろいろな基準があろうかと思いますが、「自分がやりたいこと」は非常に重要で最優先な選択基準だろうと感じます。

 

残業過多で自殺に至った方の報道も目に付きます。自分の周囲にも1ヶ月の残業100時間を超えている者は珍しくありません。医療者の中には、「自分がやりたいこと」や、「患者のために」残業過多に陥る人が少ないと思っています。やりたくないことで多忙になるよりはマシかもしれませんが、それでも産業医の観点からはやっぱり問題です。

 

どのような仕事に、どのように取り組むか。これで、”Live”から、”Survive”に退行してしまうのか、”Thrive”に進化するか。一つの重要な人生のターニングポイントかとも思います。

参考「ポジティブ心理学とは、LiveからThriveへ

① Survive:なんとか生きている状態

② Live:可もなく不可もなく生きている状態

③ Thrive:最高・最善に生きている状態

 

今週末は、「職場におけるポジティブ心理学」を学ぶ機会を得ています。現場に役立てたいと思います。