おはようございます。布施淳です。

 

自分で講習会を主催したり、そうでなくとも様々な講習会に関わる機会があります。そのような場では、学習者(受講者)の学びをファシリテートするために、指導者はポジティブフィードバックを多用します。よく「褒める」わけです。褒められた受講者は、気分良く学べるのです。

 

 

ポジティブフィードバックで「不愉快」

 

しかし、そうでない場合もあります。成人相手の講習ですから、時には若い指導者が、年上の受講者に指導することも多々有ります。自分より年下の指導者に褒められたり励まされたりすると「不愉快である」と感じる人が時々います。

 

さて、この本。関連することが記載されています。

 

 

アドラー心理学では、叱ったり、罰したり、あるいは逆に、褒めたり、励ましたりして、誰かをコントロールすることを強く戒めています。なぜなら、誰かが誰かをコントロールするということは、つまり、コントロールするほうが上だということだからです。(引用)

 

励ましたり褒めたり、あるいは、叱ったり説教したりすること、これらはすべて「自分が上ですよ」ということの表明なのです。このようなタテの関係の中では、どんな言葉を使おうと、相手を勇気づけることはできません。(引用)

 

アドラー心理学では「縦の関係」「横の関係」という考え方をするそうです。「縦の関係」は上下関係、「横の関係」は対等の関係。年齢とか職位、立場(教師と生徒とか)で縦・横なのではなく、純粋に心理的な概念です。そして、「縦の関係」になると命令や報酬、罰でしか人は動かなくなります。「横の関係」では、人は信頼で動きます。

 

 

ポジティブフィードバックの留意点

 

年上の受講者が、年下の指導者に褒められたり、励まされたりする、即ちポジティブフィードバック、に不愉快さを感じてしまうケースは、指導者に対して「縦の関係」を感じてしまうからでしょう。ポジティブフィードバックをする際に留意しておく点は、

 

・信頼関係が構築されているか?

– 構築されているのであれば、ポジティブフィードバックを多用しても良いでしょう。

– 構築されていなければ、安易なポジティブフィードバックに気をつけましょう。

 

・「横の関係」でアプローチしよう。

– 例えば、共通の課題を見出し、「一緒に頑張ろう!」というニュアンスを伝える工夫など。

– 常に敬意を表し、上下関係(指導者が上、受講者が下)を想起させない。

 

 

 

アドラー心理学の「勇気づけ」

 

アドラー心理学では「勇気づけ」は、

 

・自分には能力がある、価値がある。

・人々は仲間だ。

 

と思えるように援助すること、と言います。従って、指導者が受講者に「勇気づけ」(≒フィードバック)をする際には、この2点の概念を伝えることがポイントの1つかと思います。