おはようございます(ハイタッチ笑!)。布施淳です。
「ポジティビティ」の概念や意義について知りたかったこと、「ポジティビティ」と「レジリエンス」の関係を知りたかった、ということでこの本を読んでみました。
ポジティビティとは?
ポジティブ心理学的には、「ポジティビティ」とは、「いつもニコニコ」とか、「いつも前向き」とか、という単純なものではありません。心のもっと深いところを流れる概念で、感謝、愛情、楽しみ、喜び、希望、感動など、幅広い肯定的な感情を含んでいます。そのような肯定的で、前向きで楽観的な考え方や態度と、それによってもたらされる広い視野、優しい心、リラックスした身体、柔和な表情などの広範な意味も含み、更に、性格、人間関係、周囲の人々や状況に及ぼす長期の影響までも含みます。」
ポジティビティに関する6つの事実
この本では、以下の「ポジティビティに関する6つの事実」を、科学的に説明しています。
1 ポジティビティは気分がいい
ポジティビティが気分が良いのはまあ、当たり前です。でも大事なことです。
2 ポジティビティは精神の働きを広げる
ポジティビティは、心にゆとりを持たせます。思考は柔軟になり、自分や現状を俯瞰できるようになります。以前このblogの記事「身近な「欠乏」問題は、僕らに思った以上の悪影響を与えている」で触れた「スラック」にも関わることだと思います。
3 ポジティビティはリソースを形成する
ポジティビティにより、社会や周囲とのつながりが深まります。「つながり」が人間にとって重要であることはこのblogでも再三触れています。例えば、「「社会的なつながり」を求める気持ちは、強烈なサバイバル反応」。ポジティビティは、その大切な「つながり」を促進させてくれるわけです。
4 ポジティビティはレジリエンスを強化する
この本では「ポジティビティは、「立ち直りの早い人たち」が密かに持っている「秘法」」と表現しています。慌ただしくストレスフルな我々の日常でとかく我々の心の中に現れる「ネガティブ感情」。心を占めるこの「ネガティビティの力」を緩めることができるのは、ポジティビティだけと言います。「ポジティビティ」は、苦境における「救命ロープ」の役割を果たします。学生を対象にしたある研究では、「立ち直りの早かった学生たち」と「立ち直りの遅かった学生たち」と比較して、最も決定的に違っていたのは、ポジティビティの量でした。ポジティビティが抑うつを防ぎ、心理的成長をもたらした、という結果でした。レジリエンスとポジティビティはセットであり、ポジティビティがなければ、立ち直ることさえできません。「速やかに立ち直る人」すなわち、レジリエンスが高い人たちは、仮にネガティビテイに屈しても、ポジティビティをなくさないのです。
レジリエンスを高めるには、「ポジティビティ」を増やせば良いのです。ポジティブ感情を増やすことで、レジリエンスを育むことができます。
5 ポジティビティ比が3 :1を超えると「繁栄」に向かう
この本では、「ポジティブ:ネガティブ=3:1」としていますが、その後の研究により、この本の著者フレドリクソン自身が「ポジティブ:ネガティブ=1:1」が最善、と訂正しているとのことです。このあたりは、まだ自分も理解仕切れていません笑。
何れにしても、より良いポジティブ比は、「気持ちが生き生きして、創造性が高まり、逆境からバネのように立ち直るようになり即ち、自分が成長していることが、はっきり自覚できます。ポジティブ心理学ではこれを「繁栄」という言葉で表現します。
6 ポジティビティ比は上げることができる
そして、我々は、自分でこのポジティビティ比を、自分の努力によって調整することができます。どのように調整するかは、また別の機会に触れましょう。
最後に
ポジティビティは強さより、頻度の方が重要と言います。そして、上記6つの事実は各々独立しているわけではなく、相互作用・相乗作用をきたします。うまく機能すれば「上昇スパイラル」なる状態を呈します。そんな好循環を促したいですね。
「ポジティビティ」の概念の確認と、「ポジティビティ」は「レジリエンス」に必須であり、「ポジティビティ」こそが「レジリエンス」を強化すること、理解しました。
【参考】
Pingback: 1日何回笑っていますか? | communication | みんなの健康学習広場