おはようございます。布施淳です。

 

外来業務をしていると、「多くの患者は担当医が変わることをあまり好まない」と感じます。特に年齢が高いとそのような傾向が強い印象です。連日取り上げているこの本に、そんなことに関わる記載がありました。

 

大石らの「退職者と現役世代の人たちの、退職後の暮らしにおける「新規性」と「馴染み深さ」について」の研究。現役世代の人たちは「新規性」を重んじ、すでに退職している人たちは、「馴染み深さ」を重んじる傾向が強かったとのことです。即ち、現役世代の人たちは、退職後に新たな出会いを求めたり、新たな趣味を始めたり、新たな挑戦をしてみたいと考えるのです。一方、退職者は、家族や旧知の友人たちとのつき合いに重点を置いたり、かかりつけの医師にはずっとこれからもかかりたいと考えるのです。

 

”退職者たちは、新しい世界に踏み出し、自分を成長させるために新しいことに挑戦し、自分の能力を最大限に伸ばし、人づきあいの輪を広げることを、幸福とは考えていなかった。”(抜粋)

 

退職前は「新規性を重んじる」という気持ちがありますが、いざ退職すると、その「思い」を実行に移せずにいるだけ、という要素もあるのかもしれません。「考える」と「実行する」は全く違いますから。退職後に新たな挑戦を満喫している方のお話しをちょうどつい最近お聞きしました。

 

とある70歳前後の男性。タクシー会社を退職後、インターネット通販ビジネスを自分で試行錯誤で始めて、すでに7−8年ほど楽しんでいるとのことでした。アメリカに商品を買い付けに行き、安く大量に購入し、それを日本でネットを通じて販売しているのだそうです。妻が大事そうに持っていたブランド品のアクセサリーが、アメリカでかなり安く売られているのを知ったことがきっかけだったそうです。英語はしゃべれないし、ネットもよくわからないし、初めは大変だったと言いますが、とりあえずやってみたらかなり儲かるので面白くなったとのこと。最近は、競合も増えて、なかなか儲けは多くはないようですが、(買い付けに)夫婦で海外に行けるし、趣味として楽しんでいると言います。アメリカには50回以上行ったそうです。かつてのタクシー業務とは全く違う畑ですが、新規性を重んじ、行動力があれば、こんな素敵な第二の人生もあるんだなと思った次第です。聞いている自分も楽しかったのですが、話している彼はもっと楽しそうに見えました笑。

 

ストレングスファインダー®的には、とにかく行動する「活発性」、外国で物怖じしない「コミュニケーション」、なんとかなるだろという「ポジティブ」、新規業務を学ぶ「学習欲」、輸入や販売の細々した手続きなどは結構面倒なようで、それをこなす「アレンジ」などの資質が働いているのかなと推察いたしました。幾つになっても、自らの「強み」を活かした生き方をすれば、楽しい人生を送れるのかな、とも感じます。自分の「才能」や「強み」を意識し、コントロールできれば、もっと活かせます。自分の「才能」や「強み」を知ることはやっぱり大事です。