おはようございます(ハイタッチ笑!)。布施淳です。

お笑いタレントの前田健さんが突然死しました。働きざかりの44歳。若過ぎます。

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お笑いタレントの前田健さん死去 病死か、東京・新宿で倒れ搬送 44歳

(産経ニュース)

 

笑いのプロフェッショナルの若すぎる他界は、医療に携わる者としては本当に惜しいと思うのです。

「笑い」や「笑顔」は、心身の健康を促進します。

 

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お笑いタレントの方々は、そのような「笑い」や「笑顔」を日本中、世界中の人たちに惜しみなく提供してくれます。医師を始めとする医療従事者たちよりも、もしかしたら人々の健康に役立っているのかもしれないと個人的には思っているくらいです。自分は「お笑い」のセンスはありませんが、センスがないながらも、スキルとして「お笑い」のノウハウを少しでも身につけたいと思っています。医療に携わる者として必要なスキルなのではないかと思うのです。吉本興業のお笑い養成コースみたいなやつにも入ってみたいです。今のところ、とりあえず関連本をアマゾンでポチったりするくらいですが。まだ活かせてません苦笑。

 

 

笑いのプロフェッショナルである前田さんの死因は「虚血性心不全」とされています。心臓を専門とする医師とすれば、通常あまり使わない表現です。心臓を栄養する血管「冠動脈」が詰まったり、狭くなったりする病気「虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)」による心停止という意味だと思います。急性心筋梗塞の可能性が高いでしょう。

 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160426-00000012-sanspo-ent

上記リンク(サンケイスポーツ)の報道によると

 

「医大生カップルがあおむけで倒れていた前田を発見し、心臓マッサージを施した。その後、パチンコ店へ自動体外式除細動器(AED)を取りに来た医大生と店員らで介抱し、AEDを使用した。」

 

とあります。AEDを使用した結果、”作動した”と仮定すると、それは「心室細動」という不整脈であったことを示唆します。この場合はまず間違いなく「急性心筋梗塞→心室細動」という非常に良くある突然死のパターンであったと解釈できます。

 

振り返って、前田さんがこのような最悪の転機に陥らないための方策を取るチャンスはあったでしょうか。

 

一つのポイントはこの文面です。

 

「ある関係者によると、前田はこの日朝から栃木県内で運動会をコンセプトにしたバラエティー番組の収録に参加。途中、「胸が苦しい」と訴え、医務室で休憩する場面もあったが、午後4時まで収録に参加し、都内へ戻ったという。」

 

「胸が苦しい」は、いわゆる「狭心症」であった可能性を強く疑います。もっと重症な「不安定狭心症」(容易に「急性心筋梗塞」に移行する危険性の高い病態)だったかもしれません。話をよく聞くことで、ある程度の鑑別が可能です。ここで危険を察知して、病院に早期受診といった方策をとれば、その後の展開は変わっていたかもしれません。あくまでも結果論です。その際の医務室の対応が悪かった、といっているわけではありません。「胸が苦しい」という訴えの対応は、命の危険が潜んでいる場合があり、慎重を要しますし、その分、その対応には高度なスキルや知識が必要ということです。

 

「狭心症」や「心筋梗塞」は「動脈硬化」により引き起こされる病気です。先にも述べたように、血管(冠動脈)に脂質やコレステロールが蓄積して、狭くなったり、詰まったりする病気です。「動脈硬化」を助長する要素の一つが「乱れた食生活」です。

 

「倒れる直前まで前田は、現場から約70メートルしか離れていない行きつけのパスタ店で食事していた。店員によると1人で入店し、パスタとパン、コーラを注文。自身のツイッターにパスタの写真を投稿していた。」

 

 

パスタもパンも炭水化物です。コーラも炭水化物、糖質です。食事内容としてはバランスが悪く、体重増加・肥満にもつながり、動脈硬化も促進するメニューです。「行きつけ」のパスタ店ですから、習慣的に食していた可能性もあります。ウィキペディアによると、身長174cm。体重80kg(公称)です。BMI26.4ですから、ちょっと太り気味、肥満I度です。このあたりの食生活も今回の悲劇に関連していたものと推測します。

 

 

前田さんの突然死から我々が学ぶことは、

・44歳という若さでも急性心筋梗塞や突然死に陥ります。(同様の患者は日常的に良く診ます)。

・「胸が苦しい」は不吉な兆候と考えて慎重に対処すると安全です。

・食事など生活習慣の乱れは、急性心筋梗塞や突然死の確率を上げる恐れがあります。

 

 

ご冥福を御祈り致します。

 

 

 

追記です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160427-00000083-spnannex-ent

前田さんは5月に「不整脈」の手術を受ける予定だったとの報道がありました。「不整脈」と言っても、ごく軽症のものや、命に全く関わらないものから、あっという間に心臓が止まってしまうような致死的なものまでピンキリです。前田さんの「不整脈」の詳細がわかりませんので、なんとも言えませんが、今回の突然死がその「不整脈」と関係していたかどうは不明です。関係していない可能性も十分ありえます。