おはようございます。布施淳です。

軽井沢のスキーツアーのバス転落事故。痛ましいです。多くの、未来ある若者たちが犠牲になってしまいました。残念です。ご冥福をお祈りいたします。原因究明と再発予防に全力を尽くして頂きたいと思います。

 

この記事を書いている時点では原因はわかっていませんが、報道内容から推測すると、65歳の運転手に何らかの健康上のトラブルが突発したのではないかと想像します。例えば、脳卒中や、或いは心臓の不整脈。突然の意識障害→ハンドル操作不能→事故というプロセスです。以前、このブログで、タクシーをはじめとする道路運送業者の健康上の問題点に触れました。

 

なぜタクシー運転手は病気になりやすいのか?

やっぱり、タクシー業界は心臓疾患の労災支給決定件数が高い

タクシーもバスもトラックも、長時間労働は身体に毒。

 

スキーツアーバスの運転手は、タクシー業務とはまた異なりますが、道路運送業という同じカテゴリーであり、共通点は多々あります。健康リスクの高い業種の1つになるわけです。これまでも高速バスの事故は繰り返され、対策が講じられてきました。直接の事故の原因は、運転手の健康状態が関与していることが多いことが指摘されています。

 

今回の事故も、振り返ってみると、不安になる要素は多々あります。

① 長距離・長時間走行

② 夜間走行

③ 山道走行

④ 冬(路面凍結や降雪の可能性(一般論です))

⑤ 運転手の1人が高齢(65歳)

 

⑤はバス会社の対応で改善できる可能性はあるにせよ、①〜④は深夜高速バススキーツアーである限り不可避です。そもそもが、深夜高速バススキーツアー自体に不可避のリスクを孕んでいるということです。街中の短時間走行が多いタクシーとの相違点でしょう。

 

⑤についても、仮に、健康診断で運転手の健康状態に問題がなくても、65歳という年齢から、運転中に問題が生じない、と言い切ることはできません。通常の健康診断自体の精度の限界もあります。健康診断で問題ないと言われたのに、翌日に急性心筋梗塞を発症した、、、というようなことは珍しくありません。年齢が上がれば上がるほど、ある一定の確率で、運転中の健康トラブルが生じる覚悟が必要です。そのような「65歳」に、多数の若者たちの命を預けていたことになります。

 

何事も、リスクが潜在します。飛行機に乗る場合。墜落=死ですが、得られるベネフィットが大きいので、僅かなリスクを覚悟して、我々は、搭乗するわけです。自動車でも、新幹線でも、事故を生じるある一定のリスクはあります。その確率と、生じた場合に被る被害の大きさを勘案し、得られるベネフィットとのバランスを考え、利用するか否か結論を出します。

 

乗り物のみならず、例えば、昨日、生牡蠣を食べました。生牡蠣を食べることには”食当たり”のリスクが潜在します。そのリスクを覚悟して、美味い生牡蠣を堪能するのです。たとえば、翌日重要な仕事や用事がある場合は、被るリスクが高まりますので、食しません。リスクとベネフィットのバランスです。

 

リスクが生じてしまった場合、バス会社や、航空会社、牡蠣のレストラン、を責める気持ちも勿論理解できますし、そのような意見やフィードバックは必要ですが、一方で、自分がリスクを覚悟して選んだ選択枝であったことも忘れてはいけないと思うのです。

 

 

深夜高速バススキーツアーには不可避なリスクが潜在します。これを利用する際には、そのリスクを覚悟しなければいけないということです。安価ですと、なおさらです。どこかでコストを削っているわけですから。そして、事故が実際に生じてしまった場合に起こりうる事象が、かなり大きく、深刻なものであることが、今回の事故でまた露わになりました。

 

自分の関係者が、深夜高速バススキーツアーを利用すると言ったら、恐らく、自分は反対意見を述べるでしょう。多少コストや時間にロスがあったとしても、新幹線を利用したり、少しでもリスクの軽減した方針を模索したいです。少なくとも、バスのルートは確認し、リスク評価を図りたいです。

 

まあ、スキーやスノーボードというレジャー自体にもリスクは潜在します。頭部外傷の中でも重症な「急性硬膜下血腫」。これを生じやすいスポーツ種目と言えば、ダントツでスノーボードです。以前、このブログで少し触れました→「スポーツ中に水分補給をするもう一つの理由」。そうでなくとも、骨折などの怪我も多いです。スキー場でも、時々遭難する人もいます。そのようなリスクを覚悟して、スキー、スノボを堪能するわけです。怪我をしても、そのリスクを覚悟して、スノボをする選択をしたのは、自分です。自分にも責任があります。

 

すべての決断は「リスク」と「ベネフィット」のバランスです。そして、その決断を下すのは自分です。その責任を自分でも意識する、この痛ましい事故から、自分が感じた教訓です。

 

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