こんにちは、布施淳です。

 

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古い本で、以前読んだはずなのですが、内容があやふやでした。ふとした機会でざっくり再読しました。金融リテラシーの重要さを再確認いたしました。要は、労働収入のみに頼らず金融資産収入を増やし、ワークライフバランスを整えよう、ということです。自分の極めて疎い部分ですし、学び多い良書です。読んだはずなのに実践できていない自分が恥ずかしいです苦笑。

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この本の冒頭で、金融リテラシーと少子化の関連を指摘しています。
日本は他国に比し長時間労働です。長時間労働を余儀なくされることにより、女性が働きながら出産することが難しくなったり、男性の育児・家事への関与が制限されます。
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一方、日本は国際的に金融資産収入の割合が低く、労働収入に依存している人が多いことが指摘されており、これが長時間労働を来している一因として考えられています。
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すなわち、金融リテラシーの向上を図り金融資産収入の割合を増加させれば、長時間労働が緩和され、少子化抑制につなるという理論です、なるほどです。
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それでは、金融リテラシーの向上により、我々「医師」の長時間労働は改善するのでしょうか?
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確かに医師は、金融リテラシーが低い人が多いと思います、自分も含めて苦笑。なぜなら、職務的に金融とは接点が少ないですし、また長時間労働に加えて、医学的専門的知識の勉強にも時間を割かれるので、金融リテラシーを学ぶ時間があまり取れないのが一般的だからです。
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医師って、使命感の強い人が多いです。お金のために働くという感覚はなく、目の前の患者のため、命を救うために働いている人が多いです。悪い医師もいますが、大半の医師は、献身的な姿勢の善人です。給料明細を見ない人も少なくありませんし、自分がいくら給料をもらっているか把握していなかったりします。労働基準法を無視したような長時間勤務も普通にあり、そして、夜間の呼び出しにも応じていたりします。でもそれはお金のためではありません。大半の医師は、善意と使命感のもと長時間労働で日本の医療を支えています。すなわち、医師の長時間労働は、「労働収入」のためではないことが多いわけです。
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医師の金融リテラシーが上がることは勿論大変良いことではありますが、資産収入が増えても、医師の業務が減るわけではありません。長時間労働改善への影響は少ない様な気がします。
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むしろ、仮に資産収入が大幅に増えたら、労働収入の非効率性を実感しやすくなり、そして過剰労働のストレスから、医師の「非常識な労働」へのモチベーションが下がりやすくなる可能性もあるかもしれません。長時間勤務や当直業務を余儀なくされる勤務医から、比較的勤務時間が限定される開業医や産業医、研究職などにシフトする傾向を助長するかもしれません。
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こちらもあります。