おはようございます。布施淳です。

AMLS1

 

医療従事者向けの講習会にAMLSコースなるものがあります。救急車を要請するような、なんらかの身体的異常を訴える傷病者に対する初期対応のシミュレーショントレーニングです。
まず、傷病者の意識状態、呼吸(気道、肺)、循環(心臓)をごく短時間で簡単に評価し、ざっくりとした重症度を把握します。重症度が極めて高い(命に関わる)と判断すれば、即座の治療介入を必要としますし、重症度が低い(命に関わるほどではない)と判断すれば慌てる必要性はなく、余裕を持った対応となります。
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患者の訴えから、疑われる診断を複数想起し(鑑別診断)、それらの確率を上げるまたは下げる情報を求めて、患者に問診、診察や検査を効率的効果的に進めていきます。
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例えば意識が朦朧としているならば、アルコール、低血糖、高血糖、尿毒症、電解質異常、ホルモン異常、薬物中毒、低酸素、感染症、脳卒中、ショック、、といった、鑑別診断を挙げ、それに沿った情報収集を進めるわけです。
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病人の初期対応の機会が多い救急隊や看護師や、初心者である初期臨床研修医などにとってはとても良いトレーニングです。
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また、視野狭窄に陥っている専門医にとっても良いトレーニングです。すなわち、例えば、自分のような心臓専門医ですと心臓中心にしか患者を診ることができなくなってきてしまいます苦笑。いわゆる、専門バカです。心臓の病気以外の鑑別診断が想起しにくくなります。そんな医師たちにとってもとても良い再学習の機会です。
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【参考】かかりつけ医を作りましょう http://junfuse.com/140325/
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フォトリーディングをはじめ様々な速読法が提唱されています。そのような読書手法のポイントの1つは、「全体を理解した上で、部分に入っていく」というコンセプトです。本を1ページ目から順々に読んでいくのではなく、まず、ごく短時間で1冊の本全体を俯瞰して、ポイントを把握し、質問を作り、その質問の答えを見つけるかのように必要な所のみを効率的効果的に本を読んでいきます。
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これはまさに、上記の患者の評価方法です。
患者の全体像をごく短時間で俯瞰的に把握し、鑑別診断(質問)を想起し、その答えを見つけるかのような情報収集。
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1冊の本を把握すること。
1人の病人を把握すること。
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これらの基本的な方法は多々共通していることがあり、これがいわゆる「抽象概念」ということかと思ったりします。
本の本質を見出すこと、患者の本質を見出すこと、それに対するアプローチは非常に類似しているということです。
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週末は、当直からの緊急・準緊急心臓カテーテルの連続と、間髪入れずの連日のAMLS講習会と飲み会笑で、疲労困憊の中、思ったことでした。さあ、また一週間始まります。
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