おはようございます。布施淳です。

病院経営の話。カテーテル治療を 年間ooo件行わないと元が取れないので、件数を増やす→必要性の乏しい治療を行う、ということは多くの病院で普通に行われています。そんな話はこれまでも時々してきました。
【参考】循環器系疾患の医療費が最多 http://junfuse.com/141225/
自分は総合病院に勤務しています。循環器内科という環境ですから、当然循環器系の診療所との連携が多いです。外来で交わす患者との会話から、周囲の診療所の噂話をよく耳にします。周囲に数件ある診療所は結構流行っている感じなのですが、それらに共通する「患者の不平」が、
1. 検査が多い
2. 薬が多い
です。
毎回毎回受診するたびに検査をされると言います。心電図、レントゲン、採血、超音波(心臓、下肢、腹部、頸部、、、)、動脈硬化測定、、、、。
そして、なんらかの症状を訴えるとどんどん薬が増えて行くと言います。胸が痛ければ心臓の薬が増え、胃が痛いというと胃薬が増え、薬が増えて胃がもたれるといえばさらに胃薬が増えるという具合です。そして一旦始まった薬は、なかなか中止されません。
検査が多い、薬が多い、ということを、「良く診てくれる」と前向きに考える患者もいます。その証拠にそれらの診療所は「流行っている」わけです。でも、どちらかというとネガティブな傾向で表現する人の意見が耳に入っていくることが多いです。様々なバイアスが絡んでいるものと思います。
必要な検査、必要な薬は、もちろんあるのですが、意義の小さい検査、薬も少なくありません。無駄な検査、薬も、、あります。というか、正直な所、意義の小さい検査・薬、無駄な検査・薬 のほうが多いと言っても良いと思っています。
患者の身体のことを親身に思って、良かれと思って検査を行ったり、薬を処方したりすることもあるでしょう。
でも、診療所経営のために少しでも収益をあげようという思いで、検査や薬を増やすこともあると思います。
医療費削減、診療報酬減額の流れで、医療機関の経営はどこも厳しいということの表れと解釈しています。
診療所の医師を責めることはできないでしょう。検査治療の過剰適応でないと経営していけない診療報酬の仕組みが、不健全さを生み、非効率的な医療財政活用に繋がるという悪循環が生じているようです。自分も医師ですから、将来的に診療所を開業する確率がないわけではありません。他人事ではありません苦笑。
検査、薬が多く、その診療所通院をやめる人も多いですが、不平を言いながらも、その診療所に通院を続けている人もとても多いです。
「嫌なら検査・処方を断ればよいじゃないですか?」「「嫌なら他の診療所に変えればよいじゃないですか?」と言うと、「なかなか言いずらくて」とか「悪いと思って」といった答えが返ってくることが多いです苦笑。よく言えば「気遣い」。悪く言えば「自己主張不足」。日本人の良いところ悪いところが出ているという感じです。
・過剰検査、過剰処方といった過剰診療を要せずともストレスなく最低限の診療所経営ができる仕組み作り
・我々医師らの効率的効果的医療実践のスキルアップ
・患者自らの健康リテラシー向上と自己主張
このような一つ一つ細かなことから修正是正していかなければいけないと思う日々です。