おはようございます。布施淳です。

医療の進歩は日進月歩ですから、医師らは自分たちの専門分野の学会に定期的に参加し、自らの知識やスキルをアップデートします。通常、年1回開催され、日本であれば学会の開催期間は2-3日間くらいが目安です。

例えば、循環器医であれば、心臓病の学会に参加するわけです。全てではないにせよ、日本中の多くの循環器医がその学会に参加します。ということは、当然、その間、病院で勤務する循環器医は少なくなります苦笑。自分の勤務する病院でも、よく生じる現象です。

学会会期中の患者の管理は大丈夫なのでしょうか?

そんなことを調べた論文がありました。へー。

 

Mortality and Treatment Patterns Among Patients Hospitalized With Acute Cardiovascular Conditions During Dates of National Cardiology Meetings
JAMA Intern Med. 2015;175(2):237-244. doi:10.1001/jamainternmed.2014.6781.

 

アメリカには、心臓病の大きな学会が2つ(AHA、ACC)あります。これらの学会会期中に入院した心臓病の患者(急性心筋梗塞、心不全、心停止)と学会会期中以外に入院した患者のの30日後の死亡率を比較しています。観察研究です。

 

during meeting

 

きっと、病院内の循環器医が少なければ、心臓病の死亡率は上がるだろう、、、と思いきや、、、

 

結論を言いますと、重症の心不全や心停止で入院した患者の死亡率は、学会開催期間中に入院したほうが低いという結果でした苦笑。

重症の急性心筋梗塞患者に対するprimary PCI(緊急心臓カテーテル治療)を行う頻度は減少しましたが、死亡率は変わりませんでした苦笑。

また、軽症の患者群の死亡率も、学会開催に関わらず、変わりませんでした。

これらの結果は、指導医が在籍するような「教育病院」の話です。「非教育病院」においては、重症心不全、心停止患者、軽症患者、すべて死亡率は学会開催に関わらず、変わりませんでした。

 

学会会期中も、残ったスタッフが必死に頑張って、心臓病患者に対応しているのでしょう。

 

しかし、意地悪な見方をすれば、循環器医は大して役立っていない苦笑! いてもいなくても変わらない!ということにもなるかもしれません。

むしろ、循環器医が重症心不全患者や心停止患者に、余計なことをして、死亡率を上げているのかもしれません苦笑。

重症心筋梗塞患者へのPCIは、大して役立っていないかもしれません。

循環器医にとって、若干自虐的な読み方ができる論文でした。

 

日本を代表する心臓病の学会の2015年の開催期日は、

日本循環器学会@大阪 2015年4月24-26日 http://www.jcs2015.jp/

日本心臓病学会@横浜 2015年9月18-20日 http://www2.convention.co.jp/63jcc/index.html

学会会期中も、安心して心臓病になれます苦笑!