おはようございます!布施淳です。

勝間和代さんがプロ雀士の試験に合格したそうです。まだ本格的に麻雀を勉強し始めて僅か1年ほどだそうです。すごいですね。そして、早速とある企画で、経験数十年のベテランプロ雀士、麻雀の鉄人らと卓を囲んだそうです。結果、総合2位と大健闘だったとのこと。
彼女は、一言で言うと確率論を駆使して”原則”を重要視した戦い方をしたそうです。
彼女は言います。
「経験では全くかなわず「戦術」では足元にも及びませんが、確率論的な「戦略」の原則を守ることが善戦につながった」
辞書を引いてみました笑。スーパー大辞林から引用です。
せんりゃく【戦略】〔 strategy 〕長期的全体的展望に立った闘争の準備計画運用の方法。戦略の具体的遂行である戦術とは区別される。
せんじゅつ【戦術】① 個々の具体的な戦闘における戦闘力の使用法。普通,長期広範の展望をもつ戦略の下位に属する。② 一定の目的を達成するためにとられる手段方法。「牛歩―」  
ちなみに、Oxford Dictionary of Englishによると「戦術」を英訳すると〖個々の戦闘に対する〗tactics だそうです。
恥ずかしながらあまり「戦略」と「戦術」を意識して使い分けることはありませんでした。このFrameworkで色々なものを観察すると、なるほどと思うことがあります。
例えば、循環器医の仕事の心臓カテーテル治療(PCI)。
狭くなった冠動脈をバルーンやステントといった器具を使用し拡張します。狭くなった部分から、側枝が分岐していたりすると、技術的に複雑になります。それに対して、どの器具で、どのような方法で治療するのか?、様々な方法があるわけです。つまり、PCIという「戦略」があり、そして、もっと細かな、様々な「戦術」があるわけです。心臓カテーテル治療に関する学会では、様々な「戦術」の優劣を訴える議論があったりします。そのような議論で医療は進歩していくわけですから勿論必要なことなのですが、時には「戦略」全体から俯瞰する視点を持つことも大事かなと思います。「戦術」の相違で、患者のアウトカムはそれほど大きく変わらないことがほとんどです。医療発展のブレイクスルーは、多くの場合、新たな「戦略」だったりします。
例えば、心肺蘇生術の教育において。
人が突然倒れた時、反応がなければ119番通報、AEDの要請、そして心臓マッサージ(正確には「胸骨圧迫」)します。この胸骨圧迫が重要であり、ガイドラインでは「毎分100回以上の速さ、5cm以上の深さ」で押すことが推奨されています。蘇生率が向上するからです。医療従事者(プロ)向けの講習会では、この速さや深さが厳しく指導されます。極論言えば、毎分99回だとダメ、深さ4.9cmだとダメ、という感じです。
人が突然倒れた時に「心肺蘇生術を行う、胸骨圧迫を行う、AEDを作動させる」が「戦略」です。それ以上の細かな技術、すなわち100回以上とか、5cm以上とか、といったことは「戦術」に相当するでしょう。毎分99回、深さ4.9cmであってもおそらく傷病者の蘇生率は変わらないでしょうし、毎分90回、深さ4.0cmでも、それほど「大きく」は変わらないでしょう。
「心肺蘇生を行う」という「戦略」を守るか、守らないか、ではかなり蘇生率は変わってきます。
厳しい教育が不要かというと、勿論そうではなくて、プロとしては、最高のスキル、プロフェッショナルのスキルを習得し、そこから著しく逸脱することがないような「軸」にしておくことは重要ではあります。
「戦略」というのは「戦術」の一段上の抽象概念であることを勝間さんから教わりました。
人は、歳を重ねると、丸くなる、細かいことにこだわらず許容するようになる、、、ということをよく耳にします。これは、「戦略」を重視し細かな「戦術」は重要ではない、「戦略」という軸がぶれていなければ、いろいろやってみなさい、という観点なのかもしれないと思いました。