おはようございます。挨拶は先制攻撃! 布施淳です。
昨日に続き、心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患の治療の話。
昨日、重症病変の時は冠動脈バイパス手術、軽症〜中等症の時は心臓カテーテル治療が、主に適用になるという話をしました。
しかし、様々な理由で、本来バイパス手術の適用になる重症病変も、心臓カテーテル治療を行うことがあります。やむを得ない理由のこともあれば、そうでない理由のこともあります。
カテ3
(心臓カテーテル室。写真はあくまで参考。写真と記事の直接の関連はありません。)
「こんな難しい重症病変を心臓カテーテル治療で対処し、成功しました。」
という学会発表をよく見かけます。確かに、素晴らしいカテーテル技術であることも多く、技術的には申し分ありません。
しかし、このような”成功事例”の陰には、多くの”失敗事例”が隠れていることも忘れてはいけません。
上記のような学会発表で、カテーテル治療を選択した、よくある理由が、
「患者がバイパス手術を拒否し、カテーテル治療を希望したため、心臓カテーテル治療を施行しました」
心臓を担当する医師にとって、心臓カテーテル治療の高いスキルももちろん重要ですが、患者にとって最善の治療を選択し、患者にそれを納得させる説明スキルも、同等か、それ以上に重要、と常々思います。
一昨日に話題に出た「選択理論」の、外的コントロールによるアプローチでは効果的でなく、患者の気持ちや意見を傾聴し、共感し、各治療方針のメリット、デメリットを丁寧にお話しし、「説得」でなく、「納得」させるようなアプローチも、1つの有力なスキルかと思っています。
自分の経験では、バイパス手術を”拒否”する理由は、単に(なんとなく)怖いとか、休みが取れないとか(→よく聞けば休める)、意外と、不可避なものでないことが圧倒的に多いです。
ああ、今日もマニアックな話しでしたかね笑。最後までお読み頂き、ありがとうございました。