おはようございます!あいさつは先制攻撃!布施淳です。

 

入浴は身体を保温したり、精神的にリラックスできたり、清潔を保ったり、身体に良く働く反面、命を落とし得るという危険な一面もある、という話の続きです。
入浴は、我々の身体にどのような影響を与えるのでしょうか。

キーワードは以下。

・温熱負荷
・水浸負荷(水圧,浮力)
・脱水
・自律神経

その結果、血行動態、もっと分かり易く言うと、血圧や心拍に大きく影響し、上昇や低下、大きな変動を来すわけです。

湯温により

・高温浴(42℃以上)
・温浴(39~41℃)
・微温浴(37~38℃)
・不感温浴(34~37℃)

に分けられ、水温が体温より高ければ熱失神を誘発する因子となります。
熱失神とは、環境温度(この場合湯温)上昇による血管拡張の結果、血圧が低下し一過性に意識を失うことです。意識を失い、水没すれば、溺死へ一直線です。
温度に関し、留意しておかなければいけない事項として
・入浴中の体温は全身浴1時間で水温と同等になる
・体温の生存限界は42℃であること

時間的に長過ぎる入浴、温度の高すぎる入浴はリスクがあることがわかります。
入浴直後は湯温の高低にかかわらず、血圧は必ず上昇します。心拍は上昇します。交感神経が刺激されるためです。その後は上記のような様々な因子が複雑に関与し、血圧・心拍が変化します。
例えば、高温でなくとも、長く浸かっていると末梢血管が拡張され、或いは、副交感神経が賦活し、血圧は低下し得ます。高齢者は低下し易く、入浴後5分程で入浴前より血圧が5-30%低下します。高齢者は熱失神を来し易いのです。
一方では水圧による体表静脈の圧迫よって、全身から心臓に戻る血液量が増加し、心臓は忙しく働きます。心拍数が上昇し、血圧も上がるかもしれません。心臓が弱い人にとっては、心臓への負担が増えます。
また、一般に、入浴すると200-300mlの水分が体内から失われると言われています。汗をかくんですね。体内の水分が減りすぎると、血圧は下がりますし、循環も悪くなり、血栓ができ易くなります(いわゆるドロドロ血)。
湯に浸かった後、浴槽から出た瞬間は、熱を外部に放射させるために末梢血管が拡張し、血圧は低下しますが、脱衣所の室温が低い時は、末梢血管が収縮して、再度血圧は上昇します。血圧の著しい変動が身体に負担をかけます。

これらの身体の反応を留意したうえでの入浴中の事故予防対策は,

・低温浴で過度の体温上昇を避ける (38-40度が目安 )
・半身浴過度の体温上昇や水浸負荷を軽減)
・短時間入浴 (日本高血圧学会高血圧ガイドライン2014には5-10分と記載)
・水分補給 (脱水を避ける )
・浴室・脱衣室暖房
・声かけ入浴(入浴時に家族が声をかける、1人にしない)

これらを踏まえて、入浴を楽しみ、健康的な生活に安全に取り入れましょう。

参考、出典

・「心臓があぶない」長山雅俊著 http://www.amazon.co.jp/dp/439611155X 

・日本循環器学会 失神の診断・治療ガイドラインhttp://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_inoue_h.pdf

・日本高血圧学会 高血圧ガイドライン2014http://jpnsh.jp/data/jsh2014/jsh2014v1_1.pdf