こんにちは。布施淳です。ここ数日、生活のペースが乱れ、更新が出来ていませんでした。ペースを整えたいと思います。

 

身体を副交感神経優位にすると健康によい、、といった健康本を説いた本をよく見かけます。その通りかもしれません。
そして、副交感神経を優位にする方法の1つとして「入浴」が挙げられます。
リラックスできますし、身体が温まり、冷えを改善します。
日本の伝統的な文化でもあり、銭湯、公共温泉、温泉の湯治などは、いまなお健在です。
自分も温泉好きで、以前はよく山奥の秘湯に出かけたものです。ここ数年は、忙しいこともあり、すっかり行かなくなってしまいました。行きたいなあ。

入浴は、健康に良いかもしれませんが、実は、命がけという危険な一面もあります。

全国で毎年2万人弱が入浴中に突然死(京都大学保健管理センターの調査)

・剖検例1,230人の17%は入浴中の急死(1982~1986年大阪府)(Circ J 1989; 53: 1581-1588.)

・病院外心肺停止の8~10%が入浴中に発生(秋田)(救急医学 199822860-862.

・検案事例14,366例中の764例(5.3%)が入浴中の死亡(1987~ 1988年東京都監察医務院)

(下図:日本循環器学会 失神の診断・治療ガイドライン)

bath1

 

世界的に見ても、我が国は有数の溺死国だそうです。

(下図:日本循環器学会 失神の診断・治療ガイドライン)

bath2

 

溺死は、高齢者がそのほとんどを占めています。溺死の多くが、風呂で死んでいるのです。(下図:厚生労働省HPより)
bath3
一方、サウナ浴中の急死は稀とのことです。例えば、サウナ浴の盛んなフィンランドの年間急死6,175人の中で,サウナ入浴中かサウナ後24時間以内の死亡は102人(1.7%)のみでした。(Adv Cardiol 1978; 25: 73-81.)。サウナ浴は溺水に至らないゆえに死に至らないと推測されます。
「サウナは、汗をかいて、脱水になって、血液ドロドロになり、血管が詰まりやすい、、、だからあまりお勧めしません。」という印象を実は、自分は持っていたのですが、通常の入浴のほうが遥かに危険というわけです。先入観で思い違いをしていました。

 

当院の救命センターにも、入浴中に心肺停止になった御高齢の方がよく搬送されてきます。冬に多いのも1つの特徴です。これから冬本番になってきますので、気をつけなければいけません。何を気をつければよいか、明日以降にでも書こうと思います。
参考、出典
・「心臓があぶない」長山雅俊著 http://www.amazon.co.jp/dp/439611155X 
・日本循環器学会 失神の診断・治療ガイドラインhttp://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_inoue_h.pdf

・厚生労働省 平成21年度不慮の事故死亡統計の概況http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/furyo10/index.html