健康維持において日々の運動が極めて重要であることは誰もが認めることです。

 

 

しかしながら、「運動」の時間をわざわざ設けることは、多忙な現代人において、なかなか難しいのが現状です。

 

 

従って、「運動」の時間をわざわざ設けなくとも、日常生活の中でも、なるべく身体を動かすことが望ましいわけです。
生活の中で、「身体を動かすこと」の代表的なものが「通勤」です。
 
この通勤方法と、肥満度や体脂肪の関係を調べた研究があります。
 
 
Associations between active commuting, body fat, and body mass index: population based, cross sectional study in the United Kingdom
BMJ 2014;349:g4887
http://www.bmj.com/content/349/bmj.g4887
 
 
英国のUKHLSというデータベース、15,777人からデータ収集できた約7500人が対象。
通勤方法を

 

(i) private transport (car driver or passenger, taxi/minicab, motorcycle/moped/scooter)

(ii) public transport (bus/coach, train, underground/metro/light railway)

(iii) active transport (walking or cycling).
即ち、

① マイカー通勤(自家用車、タクシー、バイクなど)
② 公共交通機関による通勤(バス、電車など)
③ 徒歩或いは自転車通勤

 

 

に分類しています。概ね、①75%、②10%、③15% といった割合でした。

 

 

公共機関が少ないですね、東京とはだいぶ異なる割合ではないでしょうか?
これらの通勤方法と、BMI、体脂肪率の関係を見ています。
BMIとは、体重と身長の関係から算出される、肥満度を表す体格指数です。
参考:http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-002.html
体脂肪率は電気インピーダンスで測定しています。

 

 

結果は、

 

 

BMI、体脂肪率ともに、
①>②、③

 

 

BMIは、②、③は①よりも、男性で、各々1.10 (95%CI 0.53 to 1.67) 、0.97 (0.40 to 1.55) 、女性で、各々0.72 (0.06 to 1.37) 、0.87 (0.36 to 0.87)低かった。
体脂肪率は、②、③は①よりも、男性で、各々1.48 (95%CI 0.32 to 2.65) 、1.35 (0.29 to 2.41) 、女性で、各々1.46 (0.43 to 2.48) 、1.37 (0.57 to 2.17)低かった。

要は、マイカー通勤者は、公共機関通勤者、徒歩自転車通勤者よりも太っていた。
ということです。

 

 

年齢や疾患、仕事内容、運動習慣、食習慣、在住地域、、、などの交絡因子と思われる要素を調整した上での結果です。

 

 

徒歩、自転車通勤は、距離にもよりますが、身体は使うでしょう。
公共機関による通勤も、駅やバス停まで、或は、乗り換え、駅階段など、歩く時間はそこそこ含まれていると思われます。
一方で、マイカー通勤は、恐らくはdoor to door に近い通勤になってしまい、歩行時間が少ないものと推測されます。
マイカー通勤の身体活動の少なさが、体重増の一因になっているとも解釈できます。
ワンポイントの横断研究ですから、マイカー通勤だから太るのか、太っているからマイカー通勤なのか、分かりません。しかし、活発な身体活動は健康維持の基本ですから、前者と考えて、極力、マイカー通勤を控え、歩く習慣を付けたいものです。

 

 

マイカー利用を控えれば、環境的にもエコですしね。