飲酒は、肝硬変や肝障害、肝癌、その他種々の癌などの原因となり得ます。

 

しかし、少量から中等量の飲酒は心血管疾患や脳卒中に好影響を与える可能性を示唆する観察研究は散見されます。

 

少量のお酒なら、身体によいのですよーなどと患者に言う事も時々あります。
本当でしょうか?

 

Association between alcohol and cardiovascular disease: Mendelian randomization analysis based on individual participant data
BMJ 2014;349:g4164 doi: 10.1136/bmj.g4164 (Published 10 July 2014)

 
この研究は、アルコール分解酵素活性にかかわる遺伝子の有無を利用して、アルコールの影響を評価し、少量の飲酒が冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)の予防になるか、調べています。
ヨーロッパの26万人(26-75歳、平均58歳、48%女性)もの人が対象となっている統合解析研究です。主要アウトカムが冠動脈疾患罹患でその他、脳卒中等も調べています。
結論的には、飲酒量が少ないと、収縮期血圧が低くなり、腹囲も少なくなり、BMI(肥満指数) も低下しました。

 

そして、冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)の罹患も低下し、また、虚血性脳卒中(脳梗塞)の罹患も低下しました。

 

中等量以下の飲酒量でも当てはまりました。少量の飲酒が心臓を保護するというこれまでの見解に疑問を投げかける結果でした。

 

以前、アルコールと心房細動の関連の記事を書きましたが、その際、
類似した研究7つを統合した解析では、「1杯/日飲む毎に8%心房細動のリスクが増えた。」という研究を紹介しました。即ち、少量(一日一杯)の飲酒でも心房細動のリスクが増える可能性があるということ。

 

少量のお酒も控えることで、狭心症、心筋梗塞、心房細動の予防につながるかもしれない、ということになります。

 

大量飲酒は避けるべきですが、日常的に少量飲む事は、心臓には悪くない、と思っていましたが、必ずしもそうではないのかもしれないと、思い直しています。
たまに少量なら、良いのでしょう笑