学生時代、物理や数学の「方程式」「法則」を分けも分からず学んだり、覚えたりしました。懐かしいです。
それらが、人間の行動にも当てはまるという話。
またまた、この本です。

「データの見えざる手 矢野和男著」

いやはや、興味深い話題満載なもんで。青字はほぼ抜粋です。

ウェアラブルデバイスにより、人と対面したり、1人になったりという変化を大量データから解析した結果によれば、再会の確率は最後に会ってからの時間が経過するに従って低下していく。最後にある人に会ってからの時間をTとすると、再会の確率は1/T に比例して減少していく。 つまり、最後に会ってからの時間(期間)が長くなると、ますます会いにくくなる(面会確率が下がる)ということである。

 

これを著者は「1/Tの法則」と読んでいます。人の面会のみならず、他の行動にも当てはまるそうです。

例えば、

①「安静状態から活動に転じるまでの時間」
②「動きを伴う行動の持続時間」

これらは、いずれも「1/Tの法則」に従うことが分かりました。

つまり、「続ければ続けるほど、止められなくなる」という性質があるわけです。

 

これは、いずれも、医療現場における日常にも、思い当たると感じました。

 

まず、①。

安静が2時間続いたときには1時間続いたときと比べて活動に転じる確率が1/2になるということです。安静を続けるほど、活動に転じにくくなるということです。

これは、高齢患者の入院による活動度低下、ADL低下にも当てはまりそうな印象を受けます。即ち、例えば、高齢患者が、2週間入院安静にした場合、1週間入院安静にした時と比べて、活動度が1/2になるという感じです。この仮説検証をすると、入院管理の閾値上昇や早期退院の理論的根拠となり、医療費削減に役立つ可能性もあります。

 
そして、②。

 
一般的に、動きをともなう行動の持続時間が、この「1/Tの法則」に従うということで、 経過時間をTとすると、動きを中断する確率は、1/Tにきれいに比例して小さくなっていくのである(もちろんTに限界はある)。
 

これは、リハビリの時間や、患者に推奨する日々の運動にも当てはまりそうな印象です。
 

20分リハビリをした人は、10分のみリハビリをした人より、リハビリを中断する確率は1/2ということです。
 

20分ジョギングをした人は、10分のみジョギングをした人より、ジョギングを中断する確率は1/2ということです。
 
このような、人間の行動や身体の動きをデータ分析することで、医療や介護の変革や、皆の健康リテラシーの底上げなどに役立つことが期待できます。