健康志向で、サプリメントは大流行りです。高価なサプリも多いですね。
ビタミン関連のサプリメントを飲む方も多いです。それを飲む事でどれほどの恩恵を受ける事ができるのでしょうか。
健康な一般人が、慢性疾患(心臓血管病や癌)の予防、寿命延長を目的にビタミンやミネラルのサプリメントを飲む事が効果的か否か、ということを調べた研究があります。質の高い臨床研究を複数統合した(メタアナリシス)研究です。

 

Ann Intern Med. 2013;159(12):824-834-834.

集積した研究の中には、男性がマルチビタミン(3種以上のビタミンを合わせたもの)を飲む事で僅かに癌の罹患が減ったという研究はありましたが、女性では減りませんでした。

ビタミンAやC、D、葉酸、カルシウムといった単体でのサプリメントは慢性疾患の予防にはなりませんでしたが、害もありませんでした。

ビタミンE、ベータカロチンは慢性疾患の予防にならず、βカロチンは喫煙者において肺がんのリスクを増大させていました。
ビタミンやミネラル、抗酸化物質のサプリメントは多種の複合的な働きにより効果を発揮すると思われ、それら単体では有効性が発揮できないし、むしろ害にも成り得ると推測されています。

結論:健康一般人が心臓病や癌の予防を目的でビタミン等のサプリメントを飲んでもほとんど効果は期待できません。